今日の張替えの中に面白いオーダーがあったのでご紹介します。
ハイブリッドでの張り上げ希望でストリングの組み合わせはよくある「ポリ×ナイロンマルチ」でした。
ただし、ポリとマルチの組み合わせという意味では一般的ですが、今回は縦がナイロンマルチで横がポリのオーダーだったのです。
メイン:ADDIXION(Babolat)を48ポンド
クロス:ポリツアープロ(Yonex)を46ポンド
仕上がりがこちら。
よくあるのは縦ポリ、横ナイロンの組み合わせですが、今回は逆です。
そのため、縦がナチュラルカラーで横が蛍光色!!
ストリングの役割を考える
ご存じの方もいると思いますが、ストリングは縦と横で担っている役割が異なります。
メイン(縦糸)によって大きな影響を受ける要素は以下の通りです。
・打球感
・飛び(飛距離)
・耐久性
・回転性能
クロス(横糸)もこれらの要素に多少の影響を与えますが、メインほどではありません。
クロスの主な役割は次の通りです。
・メイン(縦糸)の制御
・コントロール性能
横糸は縦糸に対して上下交互に編み込むように張っていきます。
つまり、横糸を編み込むことで縦糸の動きを抑えているのです。
そのため、このような役割を担うことになります。
具体的には”横糸のテンションが高い、又は横糸の本数が多い”状態では、打球時の縦糸の動きが制限されるため、”飛距離は落ち、回転はかかりにくい”という状況になります。
一方で、ストリングによるアシストが少ない分、自分で打ったなりにボールが飛ぶため、コントロール性が良いという状態になります。
実際、ウィルソンのスピンシリーズ(縦糸より横糸が少ないラケット)は横糸を減らすことで、縦糸が従来のラケットより動きスピンがかかりやすくなっています。
一時使用していましたが、回転はたしかにかかりましたが、、、計算できない飛び方が無理で使用を断念しました。
これも縦糸の動きが強いことの弊害だと思っています。
メインの違いによる性能差を考える
ポリとナイロンを組み合わせたハイブリッドも、縦糸にどちらのストリングを使用するかで性格が大きく変わります。
ここからは縦糸にポリエステル系ガットを張ったときと、ナイロン系を張ったときの差について考察します。
メイン:ポリエステルのハイブリッド
写真は縦にポリツアー、横にAKプロを張ったEzoneです。
よくあるパターンのハイブリッド(縦がポリ)ですね。
縦ポリのハイブリッドのメリデメは以下の通りです。
・ナイロン単体よりたわみづらいためコントロール性が高く、ボールを潰して打てる
・ポリ単体より打感が柔らく扱いやすい
・ポリ単体より衝撃が少なく、関節に優しい(ナイロン単体よりは厳しい)
・ナイロン単体より衝撃が強い
ナイロンの耐久性では厳しいがポリ単体だとシンドイという方や、ポリの打球感は好きだけど楽に使える方がよいという方向けですね!
また、ナイロンからポリに切り替えを考えている人が試してみるのもお勧めです!
クロス:ポリエステルのハイブリッド
冒頭で紹介した縦にアディクション、横にポリツアープロを張ったラジカルです。
先ほどと違いクロスがポリですね。
俗にフェデラー張りと呼ばれる横ポリのパターンです。
※フェデラーは縦にナチュラル、横にポリです。
・横糸のポリの種類によるが、滑りやすいポリだとスナップバックしやすい
・ナイロンよりの打感で飛距離を抑えることができる=安心して振れる
・ナイロンが縦のため、耐切断性能はそこまで期待できない
ナイロンガットで十分だけど、飛びすぎると感じている人は横ポリのハイブリッドを試してみてほしいですね!
最後に
ポリだけで使うと永遠に切れない人(私もです)や、ポリの硬さが気になるという方はメインをポリにしたままのハイブリッドを検討してもよいと思います。
組み合わせは膨大な数に上りますが、縦糸の性能の影響が大きいため、横糸はそこまで神経質にならず張ってみると良いと思います。
張っていくうちに好みの組み合わせが見つかるかも!?
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