【基本】ストリングの張り方~事前準備編~

ストリング(ガット)

今回はストリングの張り方についてです。
テニスラケットのストリング、どのように張られているか知らない方も多いのではないでしょうか?

張ること自体は単純作業なのですが、様々な張り方が存在します。
そして色々と気をつけるべきことやコツなんかも存在しています。
非常に奥深い世界です。

例えばですが、1本で張る場合でも基本型、Gosenパターン、アラウンド・ザ・ワールド等々、様々な張り方が存在します。
私が勝手に基本型と呼んでいますが、1本張りとだけ言うと基本この張り方を指すと思ってよいと思います。

おそらく部活や自宅で張るようになった方が最初に覚えるのがこの今回説明していく張り方だと思います。

道具も”最悪スターティングクランプがなくても張れる”のがメリットでしょうか。
持っているにこしたことはありませんが、、、

ストリング1張り分(=約12m)をショートサイド、ロングサイドに分け、ショートサイドで縦半分、ロングサイドで縦半分+横すべてを張る方法。

今日はまず基本となるこの張り方について説明します。

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張り出す前の下準備

元のストリングを取り去る

まずは張り替えるラケットのストリングをすべて切り、ラケットから外しましょう

普通にご家庭にあるハサミでも切ることはできますが、ストリングの種類とハサミの種類によっては歯を痛めることもありますし、切るのに結構力が必要になることも。。。
特にポリエステル素材のストリングは、、、安いハサミだと苦労するかなと思います( ;∀;)

できればストリングカッターやニッパーがあると良いですね!
ストリングカッターはストリングカット専用のハサミです。

軽く握る程度で一気にスパっと切ることができますし、威力抜群といったところ。
縦、横両方を切断するのにわずか数秒です。
正直これを使ってしまうと二度と普通のハサミで切りたいとは思わないレベルですw

1000円台で購入できるので、ある程度本数を張る、またはしょっちゅうストリングが切れるという方は所持しておいて損はないと思います。

ニッパーは切断力は強く、軽く切れるのですが、1本ずつ切ることになるので作業効率という点ではストリングカッターに軍配があがります。

全てストリングを切ったらラケットから外していきましょう!!
と、その前に1ポイント。

まだ張り方(ストリングの通し方)に自信がない方は、ストリングを抜く前に写真を撮っておくとよいです。
特に”フレーム上で2本のストリングが重なっている個所”や”縦と横の通す穴が近いところ”等は後々迷う可能性がありますので撮影を推奨します。

こういう写真ですね!

縦の端っこのあたり(写真1枚目)は縦の穴か横の穴か迷うラケットもあります。(Main、Crossの表記がある親切なラケットもあります)

自信がないときはなるべく写真に残しましょう。
おすすめは上の写真のようなアップのものと全体を写した写真をそろえておくと安心ですよ(^^)/

掃除をする(特に砂や小石)

グロメットに挟まっている小石や砂といったゴミを除去することをお勧めします。
グロメットに砂が挟まった状態だと、砂でストリングに傷がつくこともありますし、ストリングを通す部分が従来より狭くなってストリングが通りづらかったり、張り上げ後にストリングの可動域が狭くなるケースがあります。

砂、小石が挟まったままだと”百害あって一利なし”

必ずきれいに除去しておきましょう!

張替え前の写真がこちら。
小石がものすごく挟まっているのがわかると思います。

私がショップで張替えを担当する際も必ず掃除をします
ちなみに、ストリングが張ったままの状態ではグロメットに”相当の力”がかかっているため除去するのは大変です。

特にストリングとグロメットの隙間に入り込んでいると、ストリングの張替えのタイミングでしか除去できないことも多々あります!

方法ですが、メウチを使用します。キリや千枚通しと言った方が伝わるでしょうか。
イメージ的には”たこ焼きをひっくり返すときに使うアレ”ですw
大抵の場合はストリングマシンに付属している工具類の中にあります。
このように先が尖った道具です。

ストリングマシンに付属(もしくは追加購入)したものは”ストリングを痛めないように先端が丸く加工されています”
ですのでホームセンター等でキリを購入して使用するのは辞めた方がよいですよ!
ネットで1000円少々で購入可能ですので、テニス用(ストリンギング用)を購入しましょう!

これで小石が挟まっている部分に差し込んでいくと大概の場合は綺麗になります。
向きは違いますが、先ほどの写真と同じ部分のグロメットです。
※ストリングが写っていますが全部切った後なのでテンションはかかっていません。
※誤って指先等をメウチで突き刺さないよう注意してください!

グロメットの隙間に砂や小石が挟まっているとストリングが通る部分が狭くなってしまい、通すのに苦労したり、最悪ストリングと砂がこすれて新品のストリングを傷つけることになります。

めんどくさがらず、必ず撤去しておきましょう!!

次にフレーム全体の掃除です。
これは好みというか拘りの問題ですが、特にクレーコートでテニスをしているとフレームがかなり汚れていることが多いと思います。

軽く拭き掃除をするだけで綺麗になりますので、ストリングを切って抜いたタイミング実施するとよいかと思います。
ストリングが張ってあると手が届きづらい箇所がたくさんありますが、そこも綺麗にしやすいので(^O^)

お勧めの方法は”無水エタノールを少し雑巾等につけて軽く拭く”ですね!

ストリングの準備

結束バンドを切る

まずはパッケージからストリングを取り出しましょう。
結束バンドで束ねた状態になっていると思います。
ニッパー等で結束バンドを切りましょう。

この時、”絶対に注意してほしいこと”があります。
それは”ストリングの束をつかんでおく”ことです!!

握っておかないと結束バンドを切った瞬間、ストリングが暴れてお祭り状態(※)になります。
※ぐちゃぐちゃに絡まった状態です

特にポリ系のストリングは暴れ方が激しいので注意が必要!
先日バイトの子がミスしたときは”絡まったストリングを解きほぐすだけで30分以上”かかっていましたw

ぐちゃぐちゃになるとストリングを痛めますし、なにより”精神的なダメージが大きい”ので注意してください!

ストリングをほぐす

無事に結束バンドから解放できたら、ほぐしていきましょう。
正直ぐちゃぐちゃにならず1本の糸の状態になればやり方は問われません。

私は左手の親指、人差し指で輪っかを作り、その中でストリングの束を遊ばせながらほぐしています。
左手でストリングが暴れ狂わないように軽く押さえながら右手で少しずつ引き出していくイメージです。

お勧めの方法としては”ストリングマシンのクランプにひっかけてほぐす”方法があります。
下の写真のように、束の中心にクランプ部分を通し、そのうえで束から手を離すという方法です。
※念のためにゆっくり離してくださいね!

これだと多少ストリングが暴れても絡まるところまでいきませんし、両手を使ってほぐしていけるので慣れていないうちは確実かなと思います。

先っぽを引っ張るとストリングの束がクランプの支柱を軸にクルクル回ってほぐれていく感じですね!

ほぐすのは慣れたら10秒かかるかどうかの作業です。
が、慣れるまでは絡まらないよう慎重に作業することをお勧めします。
急がば回れの精神が大事です!!

長さを計測する

ほぐすことができたら長さを計測していきます。

今回の張り方は1本のストリングをショートサイドとロングサイドに分けます。
ショートサイドで縦の縦の半分を、ロングサイドで縦の残り半分と横をすべて張る形ですね。

ほとんどのラケットでは縦糸が16本か18本だと思います。
面の大きさも一般的には95インチ~110インチくらいでしょうか。
このくらいであればショートサイドはラケット5本分の長さを確保すれば張ることができると思います。

マシンにセットしたラケットを使って5本分の長さを計ってください。
もしお持ちなら5本分の長さのところをスターティングクランプで挟んでおけば分かりやすくてよいと思います。
スターティングクランプというのはこれです!


なければ洗濯ばさみで挟んだり、ストリングの色によってはマジック等で色をつけてもよいかと思います。

私は5本分の地点を指でつまんだままストリングをセットしていますが、、、
慣れていないとちょっとやりづらいかもしれません。

ただ、このスターティングクランプはストリングを張る上であった方が望ましいので、お持ちでない場合は購入することをお勧めします。
先に紹介したストリングカッターはハサミで代用できますが、、、こればっかりは代用品はないのではないかと思いますね。

ロールから切り出す場合

もしパッケージ品ではなくロールから切り出して張る場合は、ラケット16本分を目安にしてください。

27インチのラケット=約70センチです。
16本だと11.5m弱の長さになります。

この長さがあれば大概のラケットで余裕をもって張り上げることができます。
※もちろんラケットのサイズやストリングパターンによっても前後しますので、不安な方は17本取りましょう。
ちなみにパッケージで売られている商品は11.5mから12mでカットされているケースが大半です。

おしまい

今回は準備編としてここまで。
次回、張り出し~を記載していきたいと思います。

長文でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました!!

コメント

  1. […] […]

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