特にポリエステル系のストリングを使っている人は共感してくれるはず。
ストリングによって打感が硬いとか柔らかいとか全然違うという話。
ひと昔(?)前はそんなに種類も多くなかったですし、ユーザーとしてはナイロンストリングを毎週のように切ってしまう学生やパワフルなおじ様ばかりでした。
ところが、今となってはポリエステルのストリングと一言でいっても、めちゃくちゃ種類があります。
ナイロンよりも種類は多いのではないでしょうか?
海外メーカーでポリエステル系専門というメーカーもあるくらいです。
ユーザー層もJr(小学生)やナイロンでも切れないような女性プレーヤーでも使用する人が出てくるほどに拡大しています。
今日はそんなポリエステル系のストリングにつきものの「硬さ」について考察します。
ストリングの硬い、柔らかい
素材による硬さの違い
まず素材の差について確認です。
そもそも大前提として「ナイロンとポリエステルを比較して柔らかいのはナイロン」です。
これは素材の差としての話です。
つまり、ストリングを指で触ったら「100人中100人がポリエステルを硬いと感じる」と言っても過言ではないと思う。
実際、過去に生徒さん(記憶にある限り10人以上)にパッケージから出した状態のストリングを手で触ってもらいましたが、、、
ナイロンとポリエステルを比較してナイロンが硬いといった人はいません。
ストリングの先端を指の腹で押した際、ポリエステルは手に刺さるのでは?といった硬さがあるのに対し、ナイロンはしなっと曲がります。
なので、素材が異なる2本のストリング(ナイロンとポリ)を比較した場合、柔らかいのはナイロンということになります。
ストリングの太さの差
次に太さで硬さがどうなるか。
これは想像がつくと思います。
硬さを強度に置き換えるとわかりやすいかな?
太さ1mmの針金と太さ5mmの針金、どちらが曲げやすいですか?
はい、太い方が曲がらないし、切るのも大変ですよね。
なので、「同じストリングであれば太い方が硬い」ということになります。
※ストリングは同一商品であっても、太さのラインナップがある商品が多いです。
たとえばこちら。
Yonexの公式HPから引用させていただきました。
定番のポリエステルストリング、ポリツアープロの商品ページです。
ゲージという項目が太さのことです。
1.15mm~1.30mmまで、4種類の太さが記載されています。
この商品で比較した場合、一番柔らかい(しなやか)なのは1.15mmの太さ、硬い(頑丈)なのは1.3mmということになります。
[ガット]ヨネックス ロールガット ポリツアープロ(200m)(102rptp)
商品による差
同じ素材、同じ太さであればどの商品でも硬さは同じかというとそうではありません。
使われている技術や製法によっても差異が生じます。
このあたりは各メーカーHPなどで商品の特徴紹介をみていくとある程度わかります。
たとえば日本で大人気のルキシロン(LUXILON)。
人気なところでいうと「アルパワー」「4G」「エレメント」という御三家シリーズがあります。
※もちろん他にも展開されているのですが、柱になってくるのはこの3シリーズ。
シリーズ的に比較すると、この中で一番硬いと言われるのは4G。
柔らかいのはエレメントで、反発力が強い(硬さは4Gとエレメントの間)のはアルパワーとなっています。
すべてポリエステルストリングですが製法や素材の組み合わせが異なるため、こういったことになります。
このようにストリングの硬さは様々な要素で決まってきます。
これがすべてではありませんが、大きくはこの3つ(素材、太さ、商品特徴)を意識しておくとよいと思います。
ストリングの硬い、柔らかいことによる影響
ではここからは具体的にテニスにどう影響を与えるのかを確認していきます。
・打球感がしっかりと出る(重くなる)
⇒打球感がしっかり系になります=手に伝わる情報がはっきりします。
スイングスピードがある人にとっては安心して振りぬく材料になります。
・ボールを潰しやすい
特にスイングがある程度速い前提ですが、ボールを潰しやすくなります。
ナイロンだと弾き過ぎる、接地感が少ないという方は硬めのストリングを推奨です。
・ボールが飛びづらい
ストリングのたわみが少ない=パワーは出づらく威力は控えめになります。
自分からしっかりと打てない場合はボールが全体的に浅く、伸びないボールになります。
・衝撃が大きい
柔らかいストリングに比べ打球時の衝撃が大きくなります。
打点が悪い、スイングスピードが遅いといった場合は最悪ケガ(テニスエルボ)につながりかねません。
これはいずれも柔らかいものと比較した場合です。
柔らかいストリングを使うと前述の特徴がそのまま逆になります。
つまり、、、
芯のある感じではなく、ふわっとした打感になります。
多少とらえどころを外してもOKって感じですかね?
・ボールが飛びやすい
ストリングのたわみが大きいため、打球時の面としてはトランポリン的な動きが大きくなります。
つまりよく飛ぶようになります。
※柔らかすぎると衝撃を吸収しすぎるため飛びません、、、
極端なたとえとして、低反発マクラみたいなストリングだと飛ばないでしょ?
・手に優しい(衝撃が少ない)
たわむ=衝撃が吸収されるということで、手には優しいストリングということになります。
一般論としては「上級者=パワーがありスイングも速い」となり、硬いストリングを選びがち。
初級者=当てるだけからスタートするので柔らかいストリングの方が向いている。
ということになります。
絶対に避けた方がよいということはありませんが、極端に硬いストリングは避け、柔らかいストリングからスタートし、徐々に硬くしていく方が失敗は少ないと思います。
ナイロンのうちはそこまで悪影響ないと思います。
ポリエステルに手を出し始めたら要注意!
いきなり硬いモデルを選ぶと後悔しがちです。
ポリエステルデビューにお勧めのストリング
多くの生徒を見ている中で、ポリエステルストリングに変える際に選んで失敗になりづらいストリングを3種類紹介します。
あくまでも自分がお勧めして使ってもらった中からの紹介なので、これ以外にもよいストリングは山ほどあると思います。参考になれば幸いです。
・エッグパワー(GOSEN)
まずはGOSENのエッグパワー。
張る際にも思うのですが非常にしなやかなストリングで反発力もあるため、女性ユーザーにもお勧めしやすいモデルです。
単価としても比較的手を出しやすい価格帯。
ただ難点は「テンション維持性能」が低めなことだと思います。
わりと打球感が損なわれるのが早いかな?
・ポリツアーエア(YONEX)
続いて紹介するのはYONEXのポリツアーエアー。
水色が鮮やかで綺麗なストリング。
YONEXのポリエステルストリングの中でもっとも柔らかいとされています。(一番左下ですね)
初中級クラスの女性の方も打感を気にって使用するくらいマイルド。
ラケットのカラーリングを選ぶかもしれませんが、非常にお勧めです。
・アドレナリン(LUXILON)
最後です。
前述したLUXILONですが、御三家ではなく、ちょっと亜種なアドレナリンというストリング。
アルパワーを安くしたようなモデルなのですが、非常に打球感が柔らかく、そこそこ反発力もある万能ストリングです。
ポリエステル系の硬さが苦手という方でもいける?というくらい柔らかい。
非常にお勧めの1本で、御三家より価格帯も安いため、非常にお勧め!
と、ここまで柔らかいポリエステルストリングを紹介してきました。
ナイロンから移行するにあたってはこのあたりを張ってみて試すのが無難かなと思います。
また、ナイロンからポリエステルに移行する際は、テンションは10%くらい低く張ることを推奨します。
やり過ぎに注意しつつ快適なテニスライフをお過ごしくださいませ!!
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