今回はガット張りに関してです。
ショップやスクールでガットの張替えをする方は、その都度パッケージ商品(1張り分)を購入しているという方が多いと思います。
こういうパッケージに入って売られているもので、種類にもよりますが約12m程度のストリングが封入されています。
ご存じの方もいるかと思いますが、ガットはパッケージ単位(1張り分)以外にも、ロールでの販売もされています。
200メートルのロールが一般的でしょうか(220mや240mという商品もあります)。
要は「ガットの大人買い」ですね(^^)
上にリンクを貼ったポリツアープロ(Yonex)のメーカー希望小売価格を見ると、単品が12mで2,530円、ロール(240m)で33,550円です。
当然ながらロールで購入した方が同じ12mでお安くなります。
ロール:12mで1,680円(33,550÷240×12)
実際は、実店舗では単品商品はさほど値引きされていないことが多いですが、ロール品は希望小売価格の4~5割引きというケースも多くあり、もっとお得に購入できます。
※お店、種類により割引率は異なりますが、定価で販売というケースは聞いたことがありません。
私の勤務先も3~40%オフでロールガットを取り寄せ販売しています。
が、実際はロールガットは上の数値以上にお得になります。
安全安心に1本を張り上げるのに必要な長さ
もう10年以上前ですが、ガットの張り方を習った際に教わったことがあります。
それは「”ロールガットから必要となる長さを計測する方法”です」。
ガットを張るためには「最初にロールガットから必要な分だけ切り出す」必要があるのです。
最初に教わったのは「ラケット16本分+1グリップ分の長さを切り取る」ということでした。
このやり方だと約11.5mを切り出すことができます。
※ラケットの長さは多くのモデルで27インチ(約70cm)です。
こちらも27インチのラケットです。
雑な計測ですが約70cm。
16本分=70cm×16=11.2m
加えてグリップ分が約20cmほどなので、
全部で11.4mの長さを切り取ることができます。
パッケージ品は12m入っているんでしょ?
それより短くて大丈夫?
皆さんご存じのとおり、ラケットの面の大きさはモデルによって異なります。
パッケージ品はラケットが90インチでも120インチでも張れる必要があるのです。
そのため、パッケージ品は大きなラケットでも張れる長さを基準に販売されているのです。
まさに「大は小を兼ねる」です。
ラケットによりますが2m近く廃棄するときもあります。
つまり、「16本+グリップ分」は「面の大きなラケットでも対応できる」余裕をもった測り方だということですね!
本当に必要な長さ
本当に必要な長さは「ラケットの面の大きさ」と「ストリングパターン」によって決まります。
「面が大きい=長さが必要」だし、「通すガットの本数が多い=長さが必要」というわけですね。
ちなみに、私が使用しているラケットでは、いつも15本分の長さを図って張り上げています。
わたしが使っているのは
98インチ、16×19のパターンです。
100インチのラケットでも16×19のパターンならほぼ同じです。
つまり「70cm×15=10.5m」の長さが必要ということですね!
※これでもかなり余裕があります。伸びづらいポリ系のストリングでも余裕で張れます。
最初に例をあげたポリツアーのロールは240mで販売されているので、
240m÷10.5m=22.8回 ということで、計算上は22回張れるということになります。
1張りの単価は1,525円(パッケージ品より1000円ほどお得)となります。
※希望小売価格でこうなります。実際はポリツアーで見ると200mロール(並行輸入品)が1万円程度で買えるため、ガット代は600円弱/1回くらいですw
ヨネックス(YONEX) ポリツアープロ(Poly Tour Pro) イエロー 1.30mm/1.25mm/1.20mm 200mロール ポリエステルストリングス【あす楽】
注意点およびその他の豆知識
結論として、”ガットの張替えを頻繁にする”ようであれば、ロールで購入した方がお得です。
ただし、購入前に知っておいてほしいことがあります。
1.張替え工賃について
お店によっても変わりますが、他店購入のガットを持ち込んで張替えを依頼した場合、持ち込み料金が適用されるケースがあります。(もしくは工賃の割引適用がなくなる)
私の勤務先を例に出すと、店頭で購入していただいた方は工賃30%オフが適用されます。
一方、ガットを持ち込みされたお客様に対しては割引がありません。
正規料金が1,500円(税抜き)ですので、大まかにいえば工賃に500円ほど差額が生じます。
そのため、工賃がどうなるかも含め確認する必要がある点、ご注意ください!!
2.並行輸入品とカット品
インターネットで販売されている格安ガットは並行輸入品の場合が多いです。
性能に問題があるということはなく、普通に使用できます。
が、メーカーによっては「商品名が異なる」場合もありますのでご留意ください。
また、単品商品で「カット品」とか「12mカット」と記載されているものは「お店(出品者)がロールガットから1張り分を切り出した」ものを販売しています。下の写真のように透明の袋などに包装されているケースが多いです。
測り売りですね!
カット品、並行輸入品ともに性能に問題があるわけではありませんので、その点はご安心ください。
3.ハイブリッド(縦横を変える2本張り)にする場合
12mカットだと問題ないのですが、たまに11.5mカットなども販売されています。
1本張り(結び目が2つになる)で張り上げる場合、前述のとおり10.5mもあれば余裕を持って張ることができます。
が、ハイブリッドや縦横のテンションに差をつけるために2本張り(結び目が4つ)で対応する場合は注意が必要です。
縦糸は中央から張り出し、最後に両サイドともに結びます。
横糸は通常であればラケット先端からグリップの方に向けて張っていきます。
大概のモデルは横糸の方が本数が多いのですが(例えば16×19など)、ラケットの長さの関係上、横糸の方がストリングの全長は短くなります。
※張り方次第ですが、横は最初に結び目を作ることもできるため、ひきしろを削ることもできます。
で、本題はここから。。。
縦糸を張る際、6m必要です。
横は若干短く5.7mくらいあれば張れます。(あくまで100インチ、16×19の話です)
テンションとストリングの種類によっても差異は出ますが、おおむねこのイメージです。
となると、、、必要なのは実質的に12m近くなるわけです。
11.5mカットだと、、、正直ハイブリッドを頼まれても保証しかねるというのが偽りない気持ちですね。
少なくとも縦2回は、、、私自身の今のセッティングでは無理です。
そんなにストリングも伸びないしテンションも低い(42ポンド)なので。
ですので、カット品をヤフオクやメルカリで探す場合は十分に注意しましょう!
最後に
もし購入を考えるのであれば、ロールガットは200mで約16~17張りと思って単価を計算しましょう。(自分のラケットは前述のようにギリギリの線がわかりますが、人のラケット(特に110インチ越えのデカラケ)だと余裕をもって、11.5m程度取るケースもあります)
そのうえで、工賃を加味して損得を考えていただければよいかと思います。
最後に金額以外の部分でデメリットをお伝えします。
1.ロールを購入すると、別のガットを試す機会が減ります。このガットが自分にあっている!という人以外は買わない方が良い気がします!
2.ショップによってはロールを保管してくれるお店もありますが、基本は自分で管理することになります。”地味に邪魔”なのとお店に行く際に持ち歩くのが煩わしいときがあります。
参考情報
私がよく使用している、また生徒の中でも評判のよいショップをいくつかあげます。
12mカットを購入するならお勧めです!
ちょっとマニアックな商品を手軽に購入できるのもこういうショップのよいところ♪
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