本日は“フレームの変形”についてです。
皆さんのラケットにはガットが張ってあります。
50ポンドのテンションで張り上げている場合、ガットを1回通す度に約22.6Kgの負荷をフレームにかけることとなります。
ストリングパターンが縦16本×横19本のフレームでは、最低でも35回ガットをストリングマシンで引っ張りますので、フレームにも相当の負荷がかかることとなります。
正しくガットを張り上げた場合、”張る前”と”張った後”ではフレームは同じ形状に戻ります。
張人の試験でも言われるのですが、”よい張り方=フレームの変形が少ない”とされています。
いかに変形なく、元通りの形に仕上げるかが重要ということですね!
※当然、変形しない=ラケット本来のスペックが発揮される状態ですね!
ストリンギング中のラケットの形状
ガットは縦糸を張り上げ、次に横糸を張りあげます。
そのため、縦糸だけ張った時点ではフレームは縦方向につぶれ、横方向に広がります。
その後、横糸を張り上げることで元のサイズに戻していきます。
張っている最中にフレームを計測してみました。
少しわかりづらいですが、縦糸だけを張った時点でラケットの面を計測した写真です。
左側が縦方向、右側が横方向のサイズです。
縦:34cm弱、横27cm程度となっています。
次に完全に張り上げた後の写真です。
左側が縦方向で、右側が横方向です。
縦:34.5cm、横:26.5cm程度になっているのがわかると思います。
※いずれもメジャーをフレームの外側にひっかけて計測しています。
なお、34.5cm×26.5cm程度はガットを張る前のフレームサイズと同値でした。
ガットが切れた後
張替えに出されたラケットを見ると「ガットが切れたまま」という人も結構大勢います。
先ほど記載の通り、フレームには相当の力がかかっており、テンションが正しくかかっていない状態ではラケットは変形します。(本来の形ではなくなってしまいます)
ガットが切れた状態は「フレームに正しくテンションがかかっていない」のため、フレームは変形しやすくなります。
無用なストレスからフレームを開放するためにも、爪切りやハサミ、ニッパー等でガットを切ることをお勧めします。
長期間テニスをしない場合
また、ガットが切れていなくとも「2~3か月はテニスをしない」場合などもガットをすべて切って保管することをお勧めします。
直ちに壊れるというわけではありませんが、ラケットも金属製品の1つですのでずっと力がかかったままでは金属疲労が溜まります。
ガットも基本的に3か月に1度の張替えを各メーカーが推奨していますので、勿体ないと考えるかもしれませんが、2~3か月テニスをしないことが確定しているのであればガットを切り、ストレスフリーな状態でラケットを保存することをお勧めします。
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