【ねっとり系】ブラックヴェノム(ポリファイバー)のインプレ

インプレ#ガット

今回は”ブラックヴェノム“というポリガットのインプレです。

ポリガットと書きましたが、こちらのガットはポリエステルではなくポリオレフィンという素材を使用した”柔らかい打球感”が特徴のガットとなっています。

ショップではポリエステルガットのコーナーに置かれているのを目にしますが、厳密にはポリエステルでもナイロンでもないんですね。他メーカーでは見たことがない素材となっています。

ポリファイバーはドイツのメーカーで、知名度はそこまで高くないかと思いますが、非常に使いやすいガットを販売しています。私もこのメーカーの製品は色々試していますし、ブラックヴェノムについては3ロール使用しました(^^)

以前にインプレしたこちらもポリファイバーです。

ということで、今回はこのブラックヴェノムについて記載します。

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ブラックヴェノムについて

前述したとおり、”ポリオレフィン”という素材のガットとなっています。

ゲージが3種類あり1.15mm、1.25mm、1.30mmで展開されています。
単張りは定価が2,900円(税抜き)となっており、ロールはオープン価格です。
ガットの形状は丸型で、表面はツルっとしています。

パッケージにサソリが描かれており、かなり特徴的です。

ちなみに、表面を加工しスピンに特化させたブラックヴェノムラフも発売されており、そちらは赤いサソリのパッケージとなっています。

ポリオレフィンってなんだろう?

そもそもポリオレフィンって何なんでしょうか?
私もこのガットに出会うまでは聞いたことがありませんでした。

ポリオレフィンというのは、スーパーの買い物袋などの素材となるポリエチレンと乾燥食品の袋や家庭用の衣装ケース等の素材であるポリプロピレンという素材の総称だそうです。

特徴として、引張強さ、引裂強さ、衝撃強さや、防水・防湿性に優れているとされています。

ポリエステルおよびナイロンとの差異という意味では次の表のようになるそうです。
この表では”ポリエチレン”となっている一番左をご確認ください。

ポリファイバーの公式HPより引用(http://pk-west.com/string/)

ブラックヴェノムに使われている技術・製法等

※いずれもポリファイバーの公式HPより引用しています。

レモンピール加工

レモンの皮のように外側を硬く、内側を柔らかくした特殊構造。
ボールを打った際のホールド性能が高まるポリファイバー独自の技術。

SMDテクノロジー

素材を溶解する工程では熱により分子構造が崩れやすくなり、製品むらが起こりやすい。
その結果、弾力性、テンション維持性に影響が出て、角切れの原因にもなる。
ポリファイバーでは素材分子の適正配分をし、ホールド性を高めることによってテンション維持性能、スピン性能、コントロール性能を更にアップさせました。

実勢価格

ネットでは1張りでは700円以下で購入できるお店がちらほらとあります。
またロールでは販売価格で1万円程度、ポイント等を加味すると9000円台というところでしょう。

非常にコスパのよい商品と言えると思います。


使った感想~ブラックヴェノムのインプレ~

・使用ラケット:Ezone98(2018年モデル)
・ガット:ブラックヴェノム(ゲージ1.25)
・テンション:縦48ポンド×横45ポンド
・男子ダブルス(オープンレベル)の草トーで4試合使用

使用環境は上のとおり、男ダブの試合で使いました。
もちろん試合前日の夜に気合を入れて張り替えていったのです(^^)

打球感について

このガットの特徴はなんといっても”とても柔らかい打球感”です。

打球時の衝撃もあまり手に来ない一方、ボールを捕えている感覚は強くでます
普段使われているガットにもよると思いますが、ルキシロンやバボラのポリガットと比較するとまず柔らかく感じるのではないかと思います。

極端ですが、シンセティック(ナイロン)ガットぐらいの打球感と比べても大差ないと思っています。
※もちろんナイロンを張っているときはテンションがもっと高いですが。

特にフラット系のストロークやボレー時には柔らかくボールを捕える感覚が強く感じられ、とても使いやすいガットだと思っています。

ただ、スイングスピードの速い方が使うとボールがつかまり過ぎる可能性があるかなと思います。
コンパクトなスイングでブロック気味に飛ばすような打ち方の人に向いたガットかなと。

反発性能について

硬めのポリエステルガットと比較すれば飛ぶと思いますが、私が普段よく使用するポリツアープロ(ゲージ120)と比較すれば飛ばないと感じました。
これに関してはゲージの差も大きいかもしれません。

くっつく印象が強く、弾く系の印象はないという感じでしょうか。

Ezoneはラケットが割と弾いてくれるところもあるので、ダブルスでは縦横にブラックヴェノムでも問題ありませんが、シングルスの大会に出たときは縦をポリツアー、横をブラックヴェノムにして弾き感を強めたことがあります。
その時の写真がコチラ。
黒とフラッシュイエローのハイブリッド。中々に派手ですw

また、以前プロスタッフ(90インチのモデル)に張った際も予想以上に飛ばず困った記憶があります。打感はよいものの、もう少しスパッと飛んでほしいなと思いました。

そのときは結局クロスにアディクションを入れたハイブリッドにしました。

総評するとパワーはあるものの打感の柔らかさ&モッチリ感が強く、弾く感は少ないといったところでしょうか。

耐久性能について

私のスイングではこのガットを切断することはできませんでした。
レッスンに加え、自分の練習も少ししましたが1か月では少しノッチができた程度
非力さを痛感w

ただ、ボールの弾きが悪くなったというかコントロールしづらくなってきたのを感じたため、自らハサミを入れました。

ハードヒッターが使うと切れると思いますが、、、この柔らかい打感を求める人が張る分には必要十分な耐久性はあると思います。ただ、3週間から1か月くらいのところで弾く感覚が劣化する印象がありますので、過度な期待は持たない方がよいと思います。

とはいえポリ系のガットのテンション維持性能全体で見れば悪い方ではないと思いますが。

このガットが合う人、合わない人

ダブルスメインでボレーを中心に展開したい方や、中厚系のラケット(Ezoneやピュアドラなど)を使っている人、フレームが硬くてもっと柔らかい打感が欲しいという人に向いたガットと思います。

一方で、ストロークメインでフルスイングし続けるようなテニスや、スピンをガンガンかけて押し込んでいくようなテニスには向かないと思います。

非常に柔らかく、振動も気になりづらいガットですので、ナイロンから変えたいという方にもおすすめだと思います。

さいごに

打感が非常に柔らかく、1張り600円程度とコスト面もOKの優れものだと思います。
マイルド系テニスを志向する人には是非一度試していただきたいなと思います。



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