【素材の力】ストリングの素材別の特徴(まとめ)

ストリング(ガット)

生徒さんから「ストリングの選び方」について質問を受けました。
スクールでいるとよくこの手の質問を受けます。

今のストリングを選択した理由を聞いても「コーチに勧められたから」とか、「とりあえず無難なやつ」と頼んだといった方も多くいらっしゃいます。
さすがに上級クラスでこういった発言は聞かないですが、中級くらいまでのクラスだと過半数がこういった理由である気がします。

また、中級くらいまでは「ストリングの素材」を知らない方が多い。
切れる頻度も低いし、そこまでストリングに興味を持てないということも大きいのでしょう。

ですが、素材や各ストリングの特徴を知っているとテニスの楽しみ方も変わります。
折角なので是非素材による違いや製法による差を知って、自分にあうストリングを探してみてほしいなと思います。

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ストリングの素材について

ストリングの素材は大きくはナイロン、ポリエステル、ナチュラルの3種類に分類されます。
それでは、早速それぞれの素材の特徴を確認していきましょう。

ナイロン

ナイロン素材のストリングの特徴は「弾力性に富み、インパクトの衝撃が小さいことです。
値段的にも安価な製品が多く、レベルを問わず広く使われている印象です。

ただ、耐久性(耐摩耗性)は高くなく、競技志向の方や部活で毎日のようにテニスをする方には選ばれづらい素材となっています。

またナイロン系のストリングは大きく2つの構造に分類でき、構造によっても特徴が違ってきます。

モノフィラメント構造

モノフィラメント構造、簡単にいえば1本の芯糸に、細い数本の側糸を巻き付け、コーティングしたものです。

特徴は次の通りです。

1.値段が安い
2.ナイロンにしては耐久性があり、ポリエステルより伸びにくい
3.弾きがよく、打感がシャープ

一方、欠点もあります。それは次の通りです。

1.弾きがよいことの代償としてコントロール性能が低め
2.次に紹介するマルチ構造より打球時の衝撃が大きい

代表的なストリングとしては以下のようなものがあります。

◇ミクロスーパー(GOSEN)
ナイロンストリングの定番商品と言えばこれ。
コスパも非常によく、突出した性能はないが部活でなどで使用する&初級者が使うには非常にお勧め。

◇シンセティックパワー(Wilson)
Wilsonのモノフィラメントストリングの定番です。
うちのスクールでも試打ラケに使用しており、突出した特徴はないものの、誰が使ってもそれなりに使えてしまう万能ストリングです。

◇シンガット(Babolat)
バボラ社のモノストリングです。私もロールで所持しておりますが、打感が非常にシャープで軽い打感でパワーを出せるストリングになっています。
自分からガンガン打つというよりは非力で相手のパワーを有効活用したいというような方にお勧め!

マルチ構造

1000本以上の細い糸を束ね、コーティングした構造です。
特徴は次の通りです。

1.打球感が非常にソフトで衝撃が少ない
2.打球時のホールド感が強く、コントロール性能が高い

一方で、欠点は次の通りです。

1.細い糸の集合体のため、耐久性が低い
2.モノフィラメントに比較して価格が高い

代表的なストリングに以下のようなものがあります。

◇X-ONE BAIPAHSE(テクニファイバー)
ナチュラルガットに最も近いと評価されているテクニファイバーのストリングです。
喰いつき感と弾き感のバランスがよく、非常に人気がありますが、単品購入すると高いのが弱点。

◇ADDIXION(Babolat)
コスパが非常によく、バランスのよい売れ筋商品です。
スクールでも非常に人気で、特に中級~上級くらいの女性の使用率が高いです。

◇エアロンスーパー(yonex)
こちらも非常にコスパの良いマルチストリングです。
マルチストリングですが、少ししっかりとした感触で、打感がよいのが特徴。

ポリエステル

ポリエステル素材のストリングの特徴は「伸縮性が少なくスピンがかかりやすく、耐久性(耐摩耗性)が高いことです。
値段は比較的安価なものが多くなっており、部活等で毎日のようにテニスをする方にお勧めしやすい製品になっています。

ただ、硬さがある素材のため打球時の衝撃も大きく、体格ができていないジュニアや肘に不安のある方は避けた方がよいとされています。

また、ほとんどのポリエステル系のストリングはモノ(単一芯)構造となっています。
が、最近は単純な丸型だけでなく、多角形の断面のストリングも多くなっており、バリエーションが豊富になっています。

断面が丸型でお勧めのストリング

◇ポリツアープロ(Yonex)
お手頃価格、打球感としても爽快系で衝撃控えめなストリングといえばこれ。
スクールでも非常に売れ行きがよく、使用者が多いです。
ただ、派手な色味しかないことと、テンション維持性能はそこまで高くないのがたまに傷。

◇4Gソフト(Luxiron)
ルキシロンのコントロール系の性能が高いストリングです。
ただ、ソフトと言いつつ、結構しっかりした打感のストリングなので非力な方にはお勧めしづらい。
ハードヒッター向けのストリングです。
※より打球感がしっかりとしている4Gもあります。

◇アルパワー(Luxiron)
張上げた瞬間の打感の良さと破壊力を求めるならコレ!!
プロでも使用率が非常に高いとされているストリングです。
ただ、、、テンション維持性能は悪いです。(すぐ打感が悪くなるという評判)
ですが、張りたての気持ちよさは他の追随を許さず、スクールでもユーザーは非常に多いですね。
また、よりスピン性能を求めるなら表面にエンボス加工のようなものを施した「アルパワーラフ」もお勧めです。

断面が多角形型のおススメ

ナイロン素材にはない、ポリエステル系ストリングの特徴の1つ。
それが丸型以外の形のストリングです。
角を作ることで引っ掛かりをよくし、ボールに回転をかけやすくするというコンセプトですね!

◇ポリツアーREV(Yonex)
上の画像のストリングがこちら。ポリツアーレブです。
8角形の断面をしており、また、シリコンオイルが浸透しているため非常に滑りのよいポリエステル系ストリングです。回転性能の高さと打感の柔らかさが非常にGOODで個人的にお気に入りです♪

◇ハイパーGソフト
あるときを境に突然流行し始めた蛍光グリーンの目立つストリング。
それがこのハイパーGです。
非常にバランスがよく、ハイパーGソフトは打球感も軽めなので幅広いユーザーに向けてお勧めできる商品です。
値段も安く、ゲージ(太さ)のラインナップも豊富なので重宝します♪

ナチュラルガット

最後に紹介する素材は「ナチュラル」です。
昔は羊の腸(Gut)を使用しており、シープと呼ばれていた時もありました。
日本ではストリングのことをガットと呼ぶ方が多いですが、本来はガット=ナチュラルのことです。

現在は牛の腸が使用されており、天然素材を用いていることから非常に高価です。

特徴としては次の通りです。

1.伸縮性に優れ、テンションの維持能力が非常に高い
2.ホールド感と反発力がともに高く、パワーがある

一方で欠点としては

1.耐摩耗性が低く、切れやすい
2.湿度に弱く、管理が大変(表面のコーティングがあるうちはある程度大丈夫)
3.なにより値段が高い

たとえばですが、うちのスクールにも置いているこの商品。
ガットを1度張り替えると1万円コースです。
今まで取り上げたストリングはすべて自分自身も使用経験がありますが、これはありません!
なので特徴はメーカーHPで確認くださいとしか言えません。

◇ルキシロン ナチュラルガット


安いナチュラルガットでスクールでも使用者が一定程度いるのはこれ。
◇タッチトニック(Babolat)

安いといっても張り代も合算すると6000円オーバーの一品なのですが( ;∀;)

ナチュラルガットを縦横両方張るというのは正直予算が許さなければできないと思います。
周りで使用しているパターンで多いのはやはりハイブリッド。
縦:ポリエステル系ストリング 横:ナチュラルガット という組み合わせですね。

よく一緒に練習をしている千葉県のベテラン選手もその組み合わせで使用しています。
理由をきくと「パワーが不足してきている分を補ってくれるから」ということでした。
やはりポリエステルやナイロンにはない反発力があるとのことです。

また打球感(ホールド感)は特殊で、クセになるから他のストリングに戻せないとも言っていました。

このあたりは本当にお金との相談ですね(-_-;)

まとめ

長々と記載しましたが、ストリングは大きく3つの素材に分けることができます。

それぞれメリデメはありますので、ご自身の求めるものと相談しつつ、いろいろと試して、自分にあったストリングを見つけていってはどうでしょうか。

ストリングを変えるだけで1ランクくらいはテニスの実力が変わりますよ!!
※選び方をミスると1ランクダウンですが( ;∀;)

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