【張人の控室 vol.3】ラケットの重さを考える

張人の控室

今回のトークテーマは「ラケットの重さ」についてです。
2022年2月現在、発売されている主なメーカーのラケットを見ると「245gm~340gm」と約100gmの幅に各モデルがラインナップされています。

売れ筋という意味では285gm~305gmあたりですね。
※俗に言う「黄金スペック」のモデルは300gmです。

スクールで生徒さんの使用ラケットを見ていると男性は300gm~310gmあたりのモデルの使用率が高く、女性は280gm~300gmのモデルの使用率が高い印象です。

やはり黄金スペックと呼べれる売れ筋モデルが300gmのため、男女とも、それを基準にラケットを選んでいる印象が強い。
そんな黄金スペックの代表格はピュアドライブ(Babolat)でしょう。
テニスコートに行けば必ずお目にかかるスーパーヒット商品ですね!


使いやすい重さの考え方

正直、重さは●●gmが一番いいよ!というような絶対的な数値は存在しません!
「無理せずしっかり振れる範囲で重いもの」を選んだ方がよいというのが私見。

そこで登場するのが「バランスポイント」という数値。
慣れてくると「重さ」と併せて「バランスポイント」を見ることで、使いやすいかどうかを一次的に判断することができます。
※「トップヘビー」や「トップライト」というのがバランスポイントによって決まります。

バランスポイントとは!?

同じ重さ(例えば300gm)のラケットA、Bがあったとします。
どちらが重いでしょうか?

当たり前ですが、A=Bですね。
同じ重さなので、どちらが重いかと聞かれても「同じ」という答えになります(^^)/

ここで、バランスポイントという指標が重要になってきます。
バランスポイントとは、「グリップ側から何mmのところでバランスがとれるか」という数値で、要はラケットの重心位置を表します。

絵にすると以下のようになります。
Aはバランスポイント280mm、Bは310mmとしています。
つまり、AはBより手元(グリップ側)に重さが偏っているラケットということですね!

改めて質問!
AとB、どちらが重く感じるでしょうか?

答えはBですね!
手元が重い方が、持った印象として軽く感じます。
金槌を普通に持つのと、ひっくり返して持つ場合、どちらが重く感じますか?ということと同じです。

テニスラケットの場合、ボールに打ち負けないように設計されているため、基本的には重たいラケット程、バランスポイントは小さくなる(手元よりに重心がくる)ように設計されています。

そのため、250gm程度の軽いモデルはバランスポイントが330mmより大きい。
たとえばプリンスの人気デカラケである「エンブレム120」は重さ245gmでバランスポイントは364mmとなっています。
つまり「頭でっかち」なラケットということになります。


一方、最重量級のプロスタッフv13.0は340gmでバランスポイントは305mm。
単純比較で6cmも手元に重心が寄っています。


使いやすいラケットとは?

基本思想として、重いラケット=トップライト、軽いラケット=トップヘビーに作られています。

正直、ラケットは振って扱うものですので、静止状態の重さ(単純な重量)よりも、バランスポイントとの両面で評価して選ぶべきと思っています。

黄金スペックと呼ばれているラケットは重さ300gm、バランスポイント320mmの設定です。

私個人の感覚としては重さはもう少し欲しい(310~320gm程度)。
で、もう少しバランスポイントは手元に寄せたい(トップライト)。

結局どうするかといえば、重りを手元に入れるわけです。
※今回の記事のカスタムはレザーグリップ化することで手元に重さを足しています。

人によって使いやすいバランスや重さは異なります。
お勧めとしては黄金スペックを基準にバランスポイントを意識してラケットを選ぶと非常に比較がしやすく、よいのではないかと思います。

是非色々と試打ラケットも含め、試してみてほしいなと思います!



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