【張人の控室】テンションと面圧について

張人の控室

皆さんがストリングの張替えをお店等でオーダーする際に決めることが2つありますね?

そう、ストリングの種類張上げ時のテンションです。

今回はその「テンション」について雑学をお届け致します。
お付き合いの程よろしくお願い致します(^O^)/

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テンションについて

改めてテンションについて確認していきましょう!

まずはその単位についてです。
日本で使われているのは主に「ポンド」ですね。
「何ポンドで張りますか?」などとお店で聞かれることが多いと思います。

テンションをキログラムで指定している場合もあります。
Youtubeでフェデラー選手が張替えを出しているシーンが見れる動画もありますが、
それはKGで指定していました。

「ポンド」も「キログラム」もどちらも重さの単位ですね。

つまり、、、ストリングマシンでストリングを引っ張ってテンションをかけていくのですが、
その時に「どれだけの強さ(重さ)で引っ張りますか?」ということですね。

昔は重りで引っ張っていた名残、、、ということでしょうか。

なので、ポンドであろうがKGであろうが、単位が違うだけで引っ張る強さを指定している点は同じです。



テンションと面圧について

打った際に「硬い」とか「柔らかい」または「飛ぶ」とか「飛ばない」と感じると思います。

これはストリングを同一の商品とした場合、2つの要素に影響を受けます。
1つはストリングのテンション、そしてラケット自体のスペック(フェイスサイズとストリングパターン)です。

話をわかりやすくするために、まずは同一ラケット同一ストリングの場合を考えます。

ストリングを硬く張れば張るほど、打球時の”たわみ”は少なくなります。
逆に緩く張れば張るほど”たわみ”は強くなる。
トランポリンをイメージしてあげるとよいですね。

そのため、テンションを上げると打感は硬くなり、ボールは飛びづらくなります。
逆にテンションを緩めると打感は柔らかく、ホールド感が出てくるようになり、ボールは飛びやすくなります。

<同じラケットに同じストリングを張る場合>
テンションを上げる=面圧があがり、打感は硬く、飛びを抑えることになる
テンションを下げる=面圧が下がり、打感は柔らか、飛びやすくなる

結論として、同じラケットで同じストリングの張替えをする場合は、「今までと比較してどうしたいか」をテンションで調整しにいくことになります。


次に、ストリングとテンションが同じで、ラケットが異なる場合を考えます。

面圧を決めるラケット側の要素としては「フェイスサイズ」と「ストリングパターン」があります。
面圧が高くなる方向に影響するのは「フェイスサイズが小さい」、そして「ストリングパターンが細かい」ラケットです。
具体的には100inchと95inchのラケットがあれば95inchの方が面圧は高くなります。

仮に同じフェイスサイズのラケットでも、ストリングパターンが16×19のラケットと、18×20のラケットを比べると、後者の方が面圧は高くなります。

極論をいえば「面が小さく、目が細かいラケット(例:93inch、18×20=昔のプレステージmid等)」と、「面が大きく、目が粗いラケット(例110inch、16×19=エンブレム等のデカラケ)」に同じストリングを同じテンションで張ると、雲泥の差が生じます。
なんとなく想像できますよね( *´艸`)


ストリングパターンは細かい方が面圧が高くなる=硬く、飛ばなく感じる
フェイスサイズは小さいほど面圧が高くなる=硬く、飛ばなく感じる

ちなみに、この写真は30年は前に発売されたであろうプレステージクラシック(93inch、340gmくらい)というラケット。ストリングパターンは18×20と非常に目が細かく、張替え時も横糸を通すのが非常に難しい、張り人泣かせのラケットです( *´艸`)

もう1本はウルトラの100inch、16×19のパターンのモデルですね。
限定のカモ柄なのでぱっと見ウルトラには見えませんw

同じテンションで同じストリングを張っても打球音が完全に別物w
どう考えてもプレステージの方が硬く感じます。
これが面圧の差。

写真ではわかりづらいですが、最下部、最上部のストリング位置はほぼ同じ。
でも左のラケットの方が横糸で1本多いのです。
その分、目が詰まっているということで同じテンションであっても面圧が高くなります。

ラケットを変更するなら

今のラケットに不満を持っていて買替を検討しているなら、ぜひ面圧と打感や使用感の関係についても考えてみてほしいと思っています。

たとえば「もっとパワーのあるラケットが欲しい」と思ったときにどう考えるかですが、「お店にある試打ラケットを片っ端からレンタルして試打をする。とか、手あたり次第購入して試す」というのは現実的ではないと思います。

まずスペックを見て、少なくともパワーUPを狙うならフェイスサイズを小さくするのはNGだし、
ストリングパターンを細かくするのも基本的には避けた方が良いでしょう。

そして、同じ16×19の場合でも、ダンロップのCXシリーズの様に、センターの目が非常に細かいモデルも避けた方がよい。
※同じ16×19でもラケットによって目の細かさはずいぶん変わります。是非一度見てみてください。

そういうように選択肢を絞っていけば自ずと候補は3~4本程度に絞れます。
あとは素材の差や各メーカーが搭載している技術的なところの差、そしてデザインの差になってくるので、実際に試打をして決めていけるはずです。

なんとなくでラケットを選んで後悔しないよう、是非「面圧」という点についても考えてもらえたらと思います。

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