【張人の控室】最適なテンションって?

ストリング(ガット)

スクールでストリンギングをしているとよく出くわす状況があります。
それは・・・
「テンションはコーチのおすすめで!」
とか
「平均的な感じで張り上げてください」
というオーダーを受けること( ;∀;)

今日はストリングを張り替えるときのテンションについてお話していきます!
「テンションなんざ適当だー!」って方は是非参考にしてください!



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テンションについて考える~ラケット~

まずはラケット側からテンションを考えてみます。
これは非常にシンプルです。
スペック表記の中に推奨テンションがあるかどうかを確認するくらい。

最近のラケットはフレームの外側とかに表記されているモデルもありますが、よくあるのはスロート内側。
「Recommended Tension」が推奨テンションですね。
左のラケットだと45ー60lbsで、右のラケットは55-65lbsとの記載があります!

lbsは「ポンド」です。
日本では一般的ではないですがKg(キログラム)で張力を指定することもでき、左のラケットは20-27Kgとなっていますね。

どちらも重さの単位なので、どっちの単位で言うかの差で強さは同じです。

仮に平均でと言われると、、、
右のラケットであれば55-65の中央値の60ポンドで張るの?って話(-_-;)

ちょっと前の感覚で言えば「とりあえず50ポンドが標準」みたいに思っている方も多くいますが、ラケットとストリングにもよるものの、50ポンドでも結構硬いです。

張人の試験の際に講師の方ともお話させてもらいましたが、ラケットの推奨テンションはあくまで推奨であって厳守する必要はないとのこと。
特に下限は気にしなくてよいというお話でした。
※上限値はやり過ぎると折れる可能性も増えるので注意が必要です(;^_^A

テンションについて考える~ストリング~

次はストリング側から考察します。

基本的に多くのメーカーは推奨テンションについては触れていません。
ラケットの推奨テンションとずれた場合にややこしいのと、ラケット側で指定している以上、ストリング側で指定する意味がないということでしょうか。

と言いつつ、バボラはパッケージに表記があります。(写真左)
これはバボラの「M7」というストリングのパッケージですが48-62ポンドとなっています。

一方、右はプリンスのパッケージ。
注意書きで「ラケットの適正テンション内で張り上げ」としています。

あまりに強いテンションで引っ張ると切断する可能性もあるかもしれません。
が、基本的に70ポンドくらいまでは問題なく張れます。
※ナチュラルガットは、、、切れそうですけども(;^_^A

私の実績で言えば36ポンド~70ポンドまでは実際にお客様のラケットで張ったことがあります。
したがって、ストリング側からの制約事項はさほど多くないというのが実際のところでしょう。

適正テンションって?

では適正なテンション、自分にあったテンションっていったい何ポンドやねん!?ってお話です。
そう、ここからが本題ですね。
前置きが長くなりましてすいません(;^_^A

スクールで初級~中級くらいまでの生徒さんに多いのは、「ラケットに表記されているテンションで張っている」とか「標準的(一般的)なテンションで張ってほしい」とオーダーしているケース。
コーチによる部分もありますが、こういったオーダーに対し50ポンドで張るケースって意外と多い気がします。

気のせいかもしれませんが、、、「50ポンド=万能」説が根強いと思う。

でもストリングの種類やラケットの種類も要素に含めず「とりあえず50」は正しいかと問われると「正しくない」と思います。

周りのコーチたちのテンション

とりあえずぱっと話かけられたコーチたちにテンションを聞いてみました。

前提として全員がポリエステル系のストリングを使用している点は考慮する必要がありますが、テンションは全員が40ポンド台に集中していました。
※とりあえず10名にヒアリングしました

50ポンドを超えていたコーチは身近にはいなかった( ´艸`)
JOP大会に出ているコーチも遠征先によって変えることもあるが基本44ポンド~46ポンドくらいで張っているとのこと。

というわけで、私の勤務先にいるコーチのほとんどは40ポンド台でポリ系ストリングを張っていました。

生徒さんに協力してもらって実験してみた

初中級~中級クラスの生徒さんに4名に協力してもらって実験してみました。

同じラケットにテンションを変えて同じストリングを張り上げ、それを打ち比べしてしました。
用意したラケットは3本で、テンションは56ポンド、50ポンド、44ポンドの3種類。
なるべく条件を揃えるためにレッスン前にまとめて3本張りました。

私だけが見分けつくように印をフレームにつけて生徒に貸出。
1レッスンの間、3本を持ち替えながら試打してもらって、最後に感想を聞いたのです。
生徒さんにはテンションも教えないまま、ヒントなしで3本を貸した状態ですねw

今回協力してくれたのは男女2人ずつ、年齢は30代~50代です。
体格的にもかなり平均的な方ばかりです。

レッスンが終わって、ラケットを返しにきた際にどうだったか感想を聞きました。
その結果、4人全員が44ポンドのラケットを打ちやすいと言っていました。
4人とも普段使われているラケットには50ポンド台で張っている人ばかり。
それが全員44ポンドを選ぶとは…

皆さん、打ちやすいといったラケットのテンションが相当気になっていたようで、張上げ時のテンションを聞いてきました。
私が「44ポンド」だと伝えるとかなりショックを受けていましたね( *´艸`)
だって今まで50ポンド台がいいと思って張っていた人たちばかりなのでw

そんな彼らは次の張替え時に全員が40ポンド台にテンションを変更していましたね。
「50ポンド=万能」とか「テンション40ポンド台は弱弱しい」みたいな先入観はいけないというお話ですね。

まとめ

今のラケットは剛性が上がっていてフレーム事体が昔(20年程度前)より硬くなっています。
※一時(錦織選手が世界Top10に入っていた頃)よりは柔らかくなったモデルが多いです。

正直、適正なテンションは体格やスイングスピード、その人の技術によっても変わってきます。
身長180cmでスイングが速い体育会系のプレーヤーと、身長160cmの初級の方が同じ道具を使った場合、2人ともが打ちやすいと思うことはないと断言してもよいと思います。

極端なことをいえばプロや全国区のようなスゴイ人の言う「使いやすい」が一般人にも当てはまるかというと、、、当てはまらないことはよくあります。

ただ、50ポンド=標準ということは決してない。
フレームに50-60ポンドと書かれているから50ポンド以上で張らないとダメということもない。

特にポリエステル系ストリングを張る場合は、ナイロンに比較して10%はテンションを落としてよいと思います。
少なくとも私はそのようにお勧めしています。

ポリだと44~48ポンド程度、ナイロンで46ポンド~52ポンドくらいの幅でラケットや使い手を見ながらお勧めしているのがほとんどです。

私にテンションを落とすことを勧められて試した方の9割以上は次回以降もその落としたテンションで張っている。

一部、例外(60ポンドだったのを48ポンドにして、結果54ポンドで落ち着いた)もあります。
が、それは最初に緩くする幅をやり過ぎたという話。

盲目的に50ポンド台で張っているのであれば是非10%くらい低いテンションで張ってみてください。
かなり感触が変わると思います!

50ポンド=万能ではない!そのことをお伝えしたい回でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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