先日レッスン後にある生徒さんから相談を受けました。
テーマは「ポリエステル系のストリングかナイロンストリングかで迷っている」というもの。
悩みの種はこの方、元々はナイロンだとスピンがうまくかけられず、ボールがコートに収まりづらい。と言っていた生徒さん。
で、前回張替え時にポリにした結果、ボールの納まりは良くなったものの、腕に負担が大きい。というのが今回の状況です。
ストリングの素材の差、それを確認してどちらに進むべきかの材料にしてもらえたら幸いです。
素材による特徴を確認
まず最初にそれぞれのストリングの素材による特徴を確認しておきましょう。
※あくまで一般的な特徴を記載しています。商品により異なる点もありますのでお含みおきください。
ナイロン素材のストリング
まずは最も一般的ですべての人が一度は使うであろう「ナイロン」ストリングから。
硬い、柔らかいの幅が広く、湿度に対しても強い。
また、伸縮性も高く、テンション維持性能がポリエステルより高い。
ただし、ポリエステルとの比較では切断耐性、摩耗耐性は弱い。
使用感としては「打球感軽め、ボールの飛びは良い、衝撃少ない」といった感じになりがちです。
ポリエステル素材のストリング
競技志向強めの方や男性陣を中心に使用者が多いのがポリエステル系ストリング。
特に最近は柔らかいポリも増えたこともあり、ユーザーが増えている印象。
特徴としては切れづらい(切断耐性が高い)ものが多く、テンション維持性能は低い。
ナイロンと比較して切れないけど、伸びる。というのが一般的。
使用感として「打球感しっかり、スピンがかかりやすい、飛びづらい」という感じが多いですね。
どちらを使用するべき?
絶対にこっちということはありません。
ただ、一般論でお勧めするとなると、、、
「ナイロンだとすぐ切れる(目安1か月以内)」という場合はポリエステルへの移行を検討してよいと思います。
基本的にナイロンと比較するとポリエステルの方が「パワー(スイングスピード)を求められます」。
そのため、男性や試合に出ているガチ勢を中心にお勧めする傾向があります。
スクール中級クラスくらいまでのレベルやジュニア層(特に中学生くらいまで)にはナイロンを勧めることが多いです。
ただ、最近は「ポリエステルに近いナイロン」や「非常に柔らかくて飛びのよいポリエステル」というのも存在しますので、「絶対こっちがいい」ということはありません!
先日紹介した↑のトアルソンのストリングはポリエステルライクなナイロン。
私が普段使用しているルキシロンのアドレナリンというストリングはかなり柔らかいポリエステル。
このように最近は選択肢が非常に広がっているので、、、
あとはご自身の納得感などとの闘いかなと思います。
素材を変更するうえで気を付けてほしいこと
張上げの「テンション」には十分気を付けてほしいと思います。
特に「ナイロン ⇒ ポリエステル」の乗り換え時は要注意です!
前述したように、基本的に「打球感がしっかり(重く)」と伝わるようになり、ボールの飛びは抑えめになります。
ネガティブな側面から端的に言えば「腕にくる衝撃、疲労感が倍増」します。
要するに怪我につながりやすい。。。
そのため、ナイロンからポリエステルに変更する場合、元々のテンションから10%程度低いテンションで張ることを推奨しています。
今回の生徒さんの場合
結局、怪我防止を優先したいということもあり、ナイロン素材のストリングをチョイスしました。
元々ナイロンからポリエステルに移行した理由がスピン(ボールの納まり)でした。
そのため、前述のトアルソンのアスタリスタアーマードをチョイス。
そして、いろいろとお話をした結果、テンションは敢えて変えずに張ることに。
ポリからナイロンなのでテンションを上げることももちろん検討したのですが、ストリングの差のみが浮き彫りになるようにしたいということを優先しました。
ストリングの種類、テンションが両方変わるとどちらの影響で変わったかが曖昧になりますからね。
※ただし、今回はポリ⇒ナイロンなので同じテンションにしました。逆はやめておいた方がよいですね。。。
加えて、今回は試打ラケに張り上げたのを試してもらった感触がよかったというのも決めてになりました。
すべての要求を満たすようなストリングは正直存在しないでしょう。
優先順位を決めて、それに当てはまるストリングを試していくしかない。
スクールに通われているようであれば信頼できるコーチに、そうでなければショップ(できればテニス専門店)でお店の方に相談できると、自分にあうストリングを早く見つける近道になると思います。
是非色々試してみてください(^^)/
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